精選版 日本国語大辞典 「けじめ」の意味・読み・例文・類語
けじめ けぢめ
※伊勢物語(10C前)六三「この人は、思ふをも、思はぬをも、けぢめ見せぬ心なんありける」
② 連続したものが変化したときに認められる、前と後との質的な違い。物事の移り変わり。変動。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「うちつぎて、世の中のまつりごとなど、殊に変はるけぢめもなかりけり」
③ 二つ以上の物事について、内容、外観などによって区別をつけること。差を弁別すること。区別。差別。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「雪はところどころ消え残りたるが、いとしろき庭のふとけぢめ見えわかれぬほどなるに」
※金(1926)〈宮嶋資夫〉二「人の物か、自分の物か、けぢめさへつかなくなってゐた」
※源氏(1001‐14頃)花宴「上達部みな乱れて舞ひ給へど、夜に入りてはことにけぢめも見えず」
※冷え物(1975)〈小田実〉「みんなで決めたことはまもらないかん。そやないと、世の中のケジメがつけへん言うて」
※源氏(1001‐14頃)乙女「さるべき御かげどもにおくれ侍りてのち、春のけぢめも思ひ給へわかれぬを」
⑥ 間を隔てるもの。境を分けるもの。中へだて。しきり。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「廂の、中の御障子を放ちて、こなたかなた御几帳ばかりをけぢめにて」
⑦ 他の者に比して一段と低い扱いをされること。ばかにされること。なめられること。→けじめを食う。
⑧ 偽造のもの。いつわり。
※日葡辞書(1603‐04)「Qegimega(ケヂメガ) ミエタ」
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