精選版 日本国語大辞典 「くるり」の意味・読み・例文・類語
くるり
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 人や物がすばやく一回転したり反転したりするさまを表わす語。
※暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉一「くるりと奥を向いて歩いて行って了った」
② 人や物などが円を描いて動くさま、また、ある地域のまわりなどをめぐって移動するさまを表わす語。
※史記抄(1477)九「東からくるりと北辺をめぐりて九原まで至て」
③ 丸い物の表面がむけたり剥がれたりするさまを表わす語。
※咄本・軽口露がはなし(1691)四「かの仏の御面くるりとめくれ、鬼の顔に成けり」
④ 物を包んだり丸めたりするさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)五〇「蚕の口から糸を吐て吾身をくるりとひきまとうて中に死でいるぞ」
※滑稽本・七偏人(1857‐63)三「手拭で顔をくるりと押包み」
⑤ 丸く、かわいらしいさまを表わす語。くりくり。
※虎明本狂言・鬼瓦(室町末‐近世初)「又あの目のくるりとしたもにたよ」
⑥ 急に様子・状態の変わるさまを表わす語。すっかり。ぐるり。
[2] 「くるりぼう(━棒)」の略。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
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