くも膜顆粒(読み)くもまくかりゅう

世界大百科事典(旧版)内のくも膜顆粒の言及

【くも膜(蜘蛛膜)】より

…この槽をくも膜下槽と呼び,代表的なものとして,小脳と延髄の間の小脳延髄槽,大脳外側窩(か)の大脳外側槽,視神経交叉(こうさ)周囲の交叉槽,左右の大脳脚の間にまたがる脚間槽,脳梁に沿う脳梁槽などがある。 上矢状洞など主要な静脈洞の内壁にはイチゴ状の小体があり,くも膜顆粒arachnoid granulationと呼ばれる。発見者のイタリアの医師パッキオニAntonio Pacchioni(1665‐1726)の名を冠してパッキオニ小体またはパッキオニ腺ともいわれる。…

【髄液】より

…脳室,中心管およびくも膜下腔を満たしている間質液またはリンパ液によく似た組成の液で,全量100~150mlの1/2は脳部に,1/2は脊髄部にある。髄液は側脳室および第四脳室の内壁にある脈絡叢から毎分0.26~0.65ml分泌され,第四脳室の正中口および外側口を通って脳室の内から外へ流出し,小脳延髄槽,橋槽,テント切痕を経てテント上に達した後,大脳半球外表を上行し,上矢状静脈洞内へ陥入しているくも膜顆粒を通って血中に吸収される。この循環により1日に3~4回全量が更新されるという。…

【髄膜】より

…くも膜下腔を満たしている透明な液は,脳室内を満たすものと交通していて,脳脊髄液あるいはもっと簡単に髄液と呼ばれる。脳のくも膜は場所によって外方に向かってくも膜顆粒(パッキオニ顆粒Pacchioni bodyともいう)という突出部をつくるが,これは軟膜腔内の髄液を硬膜内部の静脈洞に導きだす装置と考えられている。脊髄の柔膜からは左右両側へ向かって歯状靱帯(じんたい)という突出部がでていて,これは硬膜の内面に付着しており,脊柱管内における脊髄の位置を固定するのに役だっている。…

※「くも膜顆粒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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