くじら座(読み)くじらざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「くじら座」の意味・わかりやすい解説

くじら座
くじらざ / 鯨座

秋の終わり、南の中天にかかる大形星座ギリシア神話では、アンドロメダ姫を食おうとして英雄ペルセウスに石にされてしまった化け物くじらのこと。古星図には手の生えた海獣として描かれているものが多い。明るい星としては、くじらの尾のところに輝く2等星のβ(ベータ)星と、くじらの心臓のところに輝く赤いミラとがある。ただしミラは、約332日の周期で明るさを変える長周期変光星なので、ときによっては肉眼でその位置に見られないことがある。ミラの変光範囲は2等星から10等星までであり、6等星より明るくなっている期間は肉眼で見ることができる。

[藤井 旭]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「くじら座」の意味・わかりやすい解説

くじら座
くじらざ
Cetus

鯨座。概略位置は赤経1時 45分,赤緯-12°。 12月の宵に南中する南天星座。そのο星 (固有名ミラ ) は長周期変光星の代表。伴星白色矮星を伴う。α星の固有名はメカブ。τ星は最近星の1つ (距離 11光年) で,エリダヌス座ε星とともにオズマ計画の対象となった。ギリシア神話のなかのアンドロメダ姫を殺そうとした化け物クジラにちなむ。

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