きびがら細工(読み)きびがらざいく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「きびがら細工」の意味・わかりやすい解説

きびがら細工
きびがらざいく

キビ(黍)はイネ科の一年生草本で、茎の高さは1.5~2メートルほどになる。穂先の実のついた部分は箒(ほうき)や玩具(がんぐ)をつくるのに用いられ、工作材料として用いられるのは茎の元のほうの皮をはいだ髄の部分である。また、中国東北地区やモンゴルに産する同じイネ科のコウリャンの茎も、太くて固いため、皮をはぎ髄を染めて細工に用いる。小刀や鋏(はさみ)で適当な長さに切ったものに、縦に細く割いたものを継いでさまざまな立体を構成することができる(車、人、動物、舟等々)。また、さまざまな色のきびがらを平らに並べてつなぎ、土瓶敷の類をつくることもできる。大正末から昭和10年代にかけては、小学校低学年の手工教材とされたが、現在ではもっぱら郷土玩具の製作に用いられている。

[秋山光男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「きびがら細工」の解説

きびがら細工

栃木県鹿沼市の郷土玩具。きびがらを編んで作る動物や人型の玩具。古くから座敷箒の産地として知られた同地域で、昭和30年代の電気掃除機普及を機に新たな特産品として考案されたもの。

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