精選版 日本国語大辞典 「かんかん」の意味・読み・例文・類語
かん‐かん
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある。古くは「くゎんくゎん」とも表記した)
① 金属や石などの堅い物がぶつかって出す音を表わす語。
※詩学大成抄(1558‐70頃)六「隣もないはなれ家にかんかんと物すがう打た心ぞ」
② 日の光が強く照りつけるさま、また、灯火などが明るく照り輝いているさまを表わす語。
③ 炭火などが勢いよくおこるさまを表わす語。
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉六八「かんかんと火が起ってをります」
④ はげしく怒るさまを表わす語。
⑤ 心のはればれとしたさまを表わす語。
※浮世草子・諸芸独自慢(1783)二「頭にあいた穴より、疝気が抜けましたか、今はくゎんくゎんするやうに成りました」
⑥ たたけば音がしそうに堅いさまを表わす語。
※満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉八「此辺ももう少しすると〈略〉カンカンした路に変化する事だらうが」
[2] 〘形動〙
① 日の光が強く照りつけたり、炭火が勢いよくおこったりするさま。
② 強く腹を立てているさま。はげしく怒るさま。「かんかんになる」の形で用いられることが多い。
③ (たたいたときの音から) 硬く凍ったさま。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉一「余り動かない部分をかんかんに凍らせた」
[3] 〘名〙 (その音から) 鐘をいう。
かん‐かん
〘名〙 幼児語。
① (「かみ(髪)」「かんざし(簪)」から) 髪またはかんざしをいう。
② (「か(噛)み」から) 噛むことをいう。かみかみ。
③ (「下駄(げた)」の音から) 下駄のことをいう。かっこ。
④ かわいいことをいう。
かん‐かん
〘名〙
① (古くなって、材質が硬くなったさまからか) 古い帽子。
② 「かんかんぼう(━帽)」の略。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報