精選版 日本国語大辞典 「かりかり」の意味・読み・例文・類語
かり‐かり
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 雁の鳴く声を表わす語。
※後撰(951‐953頃)秋下・三六二「往還(ゆきかへ)りここもかしこも旅なれやくる秋ごとにかりかりと鳴く〈よみ人しらず〉」
② 堅いものをかみくだく音を表わす語。また、堅くて歯切れのよいさまをも表わす。
※日葡辞書(1603‐04)「Quariquarito(クヮリクヮリト)〈訳〉副詞。氷のような固い物を噛み砕く時の音の形容」
③ いらいらするさま。たかぶるさま。
※犯罪乱流(1966)〈島田一男〉十二月十一日夕刻「ところが芝山は、━━太てエ女(あま)だッ……と頭がカリカリしていた」
[2] 〘形動〙 水分がなくなったり、強く固まったりして、表面が堅いさまを表わす語。
※一九二八・三・一五(1928)〈小林多喜二〉二「カリカリに雪が凍ってゐる道に」
かり‐かり
〘名〙 網を水中におろし、一方から魚を追いこんで捕える漁法。また、その網。琵琶湖で行なわれたもの。
※俳諧・本朝文選(1706)二・賦類・湖水賦〈李由〉「汐ならぬ海士のいとなみもをかしけれ。大網・巻網・四手・跡懸・手丸・唐網・魞・簗・カリカリ・竹瓶あさり、いさりのあはれもふかかるべし」
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