からかう

精選版 日本国語大辞典 「からかう」の意味・読み・例文・類語

からか・う からかふ

[1] 〘自ハ四〙
① 押したり返したりどちらとも決しない状態で争う。葛藤(かっとう)する。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
古今著聞集(1254)一六「心のはたらく事しづめがたけれども、猶とかく心にからかひて、其の年も暮れぬ」
② 言い争いをする。また、争う。闘う。
※九冊本宝物集(1179頃)八「とりくみ引くみて、夜もすがらからかひて」
葉隠(1716頃)一「渡し舟にて、小姓酒狂にて船頭とからかひ」
関心をよせる。かかわる。
※大恵書抄(14C後‐16C後)「あるないにはからかうまい」
[2] 〘他ワ五(ハ四)〙 冗談を言ったり困らせたりしながら相手をなぶりものにする。じらして苦しめる。
滑稽本浮世床(1813‐23)初「小ぢょくは供をしながらふりかへりて熊にからかふ」
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「那様(あんな)事を言って僕を娗(カラカ)ったに違無い」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「からかう」の意味・読み・例文・類語

からか・う〔からかふ〕

[動ワ五(ハ四)]
相手が困ったり怒ったりするようなことをしておもしろがる。揶揄やゆする。「子供を―・う」
負けまいとして張り合う。争う。また、葛藤かっとうする。
「心に心を―・ひて、高野御山に参られけり」〈平家・一〇〉
[可能]からかえる
[類語]冷やかす茶化すおひゃらかすおちゃらかすふざける混ぜ返すおちょくるなぶるもてあそぶ玩具おもちゃにする野次る野次を飛ばす洒落しゃれのめす半畳を入れる茶茶を入れる揶揄やゆ玩弄

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