かなぐる

精選版 日本国語大辞典 「かなぐる」の意味・読み・例文・類語

かなぐ・る

〘他ラ四〙
① 荒々しく払いのける。
落窪(10C後)一「『いと愛敬なかりける心もたりける物かな』とて、腹だちかなぐりて起くれば、帯刀笑ふ」
浄瑠璃・東山殿子日遊(1681)一「少しは乱るる花すすき、穂には出ねど勝元も荒ららかにはかなぐらず」
② 荒々しく引きぬく。また、乱暴に奪いとる。ひったくる。
今昔(1120頃か)二九「死人の髪をかなぐり抜き取る也けり」
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)上「小女郎は表にはしり出、笠かなぐって」
[語誌](1)現代語では、「かなぐり捨てる」と複合形で用いるのが常である。
(2)古典語では、単独に用いるだけでなく、「捨つ」のほかにも、「落とす」「散らす」「取る」「抜く」などと複合する形もあり、また、「かなぐり付く」「かなぐり見る」のような、離脱とは反対の、接着する行為と関わる用法もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「かなぐる」の意味・読み・例文・類語

かなぐ・る

[動ラ五(四)]荒々しく払いのける。また、引っ張りとる。
「―・るようにして、其の細帯を解きかけた」〈鏡花高野聖

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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