お・オ(読み)お

精選版 日本国語大辞典 「お・オ」の意味・読み・例文・類語

お【お・オ】

[1] 〘名〙 五十音図で第一行第五段(ア行オ段)におかれ、五十音順で第五位のかな。いろは順では第二十七位で、「の」の次、「く」の前に位置する。定家かなづかいの流では、「を」を「端のを」と呼ぶのに対して「奥のお」と呼んでいる。現代標準語の音韻では、五母音の一つ、o にあたる。後舌で中開きに近い円唇母音小文字で「つぉ」「ふぉ」のように方言音、外来語音を表わすことがある。「お」の字形は「於」の草体から出たもの、「オ」の字形は、「於」の一つの書き方から左部をとったものである。ローマ字では o を当てる。
[2] 【を・ヲ】五十音図の第十行第五段(ワ行オ段)におかれ、五十音順で第四十七位(同字の重複を除いて)のかな。いろは順では第十二位で、「る」の次、「わ」の前に位置する。定家かなづかいの流では、「端のを」と呼んでいる。現代かなづかいでは、助詞の「を」として用いられるだけで、他のかなとちがって表意的性格をもつ。現代標準語の音韻としては o にあたり、ア行の「お」と発音上の区別がない。時に o が前に w を伴うこともあるが、その w は、意味上必要な要素ではなく、また「お」と「を」との間の相違点ともならない。「を」の字形は「遠」の草体から出たもの、「ヲ」の字形は「乎」の変形である。ローマ字では、o、日本式つづり方で、助詞の「を」に wo を当てる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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