おとめ(乙女)座(読み)おとめざ

改訂新版 世界大百科事典 「おとめ(乙女)座」の意味・わかりやすい解説

おとめ(乙女)座 (おとめざ)
Virgo

略号Vir。黄道十二宮の一つ。現在,秋分点はこの星座にある。α星スピカから北西にのびる大きなY字形の星列である。ギリシア神話では,大神ゼウスと女神テミスの間に生まれた正義の女神アストライアとか,穀物神デメテルの娘ペルセフォネとか,デメテル自身の姿に見たてており,スピカはその手に握る麦の穂先に相当する。β星はアララフと呼ばれ,3.8等でスペクトル型はF8,32光年の距離にある。Y字の中央のγ星は3.7等,スペクトル型F0で黄白色の美しい二重星である。この天域には,銀河の集団である銀河団のうち,もっとも大規模なものとして知られるおとめ座銀河団があり,13.3等より明るいものだけで約150個,15.5等まででは数千個に達する。概略位置は赤経13h20m,赤緯-2°。午後8時の南中は6月上旬である。
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百科事典マイペディア 「おとめ(乙女)座」の意味・わかりやすい解説

おとめ(乙女)座【おとめざ】

6月上旬の夕方,南の中天に見える星座。α星はスピカ。現在秋分点が位置する。十二宮中の第6宮。ギリシア神話の正義の女神アストライアを象徴。
→関連項目ソンブレロ銀河

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