デジタル大辞泉
「おっす」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
おっ・す
〘自サ特活〙 (「ある」「居る」意の
丁寧語。江戸の遊里語。「おすす」と表記する場合もある)
[一] 「ある」「居る」の意の丁寧語。ございます。あります。おります。
※黄表紙・世上洒落見絵図(1791)「このとこ花におくんなんした金も、さだめて木のはでおっしゃうが」
[二]
補助動詞として丁寧の意を表わす。(で)ございます。(で)あります。
※
咄本・無事志有意(1798)
畳算「此かんざしは流しでおっす」
※人情本・春色恵の花(1836)初「それも無理ではおっせんよ」
[語誌](1)
語源は十分に明らかにされていないが、
一説に「おす」の変化したものとの
見方がある。「おす」は、「洒落本・傾城觿‐附録」に「ござりますといふ事也」とあり、江戸町一丁目の松葉屋の
女郎が常用していたことが記されている。「おっす」と「おす」の前後関係は明確でないが、ほぼ同様の用い方をされていた。他には、「おはす」の転、「おおす」の転、「おざり申す」の変化形など
諸説がある。
(2)
活用は「いす」に類し、「せ・し・す・す」と、
連体形がやや特殊ながら、基本的にはサ変型の活用をする。
仮定形・
命令形は
未詳。
おっす
※草のつるぎ(1973)〈
野呂邦暢〉一「『やあ』と
ぼくはいった。『おっす』と
三人はいった」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報