うまのみみにかぜ

精選版 日本国語大辞典 「うまのみみにかぜ」の意味・読み・例文・類語

うま【馬】 の 耳(みみ)に=風(かぜ)[=念仏]

(「馬耳東風(ばじとうふう)」による。馬の耳に風が当たっても(馬に念仏を聞かせても)馬はいっこう気にとめないところから) 人の話が耳にはいっても全然心を動かさないことのたとえ。牛の角に蜂。馬の耳。
(イ) うわのそらで、人の忠告に従う気がないことのたとえ。
※俳諧・毛吹草(1638)二「むまのみみに風 うしのまへにしらぶる琴」
※歌舞伎・鶴千歳曾我門松(野晒悟助)(1865)序幕「こんな奴に物をいふのは、馬の耳に念仏だ」
(ロ) 無知なために、高尚なことを聞いても、いっこうに理解できないことのたとえ。
咄本・軽口御前男(1703)二「いやはやもんもうな。馬(ムマ)の耳(ミミ)に風とは申さぬか。やれやれ、ほてっぱらがくねる」
(ハ) 自分の利益にならないことを聞いて関心を示さないことのたとえ。聞いた事柄について、われ関せずの態度をとること。知らぬ顔。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「大勢兄弟衆(けうだいし)もあるけれど、馬(ウマ)の耳(ミミ)に風(カゼ)でさっぱり音信不通

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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