デジタル大辞泉
「うっかり」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
うっかり
[1] 〘副〙 (「と」を伴っても用いる)
① 心を奪われている状態にいう。うっからと。うっかと。
(イ) 心に衝撃をうけるなどして、ぼうぜんと放心しているさまを表わす語。
※三体詩幻雲抄(1527)「
妻子にも離別する思いに堪かねてうっかりとしたる也」
※
俳諧・伊達衣(1699)上「冠をも落すばかりに泣しほれ〈
芭蕉〉 うっかりつづく文を忘るる〈等躬〉」
(ロ) 気ぬけしてぼんやりしているさまを表わす語。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※
洒落本・繁千話(1790)「馬骨はうっかりとして居たるが、びっくりして」
(ハ) 美しいもの、快いものなどに心を引かれているさま。うっとり。
※俳諧・曠野(1689)一「うっかりと春の心ぞほととぎす〈市山〉」
※
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「男もつくづくと見れば思へはうつくしきすがたにうっかり」
② 不注意で気づかないでするさま。不用意に。「うっかりして鍵を締め忘れた」
※
咄本・当世手打笑(1681)二「ねいりたら、しめころさうとのたくみであらう。うっかりとはねまいぞ」
※歌舞伎・裏表柳団画(
柳沢騒動)(1875)五幕「ついうっかり差上げましたと言うて済まうと思ふかいの」
[2] 〘名〙 注意が足りないこと。また、そのような人。ぼんやり。
※
政談(1727頃)一「代々其家中の人に崇めらるる故、其主人と左のみ替らぬうっかり也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報