いなべ(市)(読み)いなべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「いなべ(市)」の意味・わかりやすい解説

いなべ(市)
いなべ

三重県北端の市。2003年(平成15)員弁(いなべ)郡北勢町(ほくせいちょう)、員弁町、大安町(だいあんちょう)、藤原町(ふじわらちょう)が合併、市制施行して成立。市名は旧郡名に因むが、郡名の由来は、かつてこの地域に物部(もののべ)氏の支系である猪名部(いなべ)族が居住していたため、大宝律令で郡名が「猪名部」と名づけられたことによる。のちに「員弁」に改められた。名古屋圏の一角を成し、滋賀県、岐阜県と接する三重県の北の玄関口である。三岐鉄道(さんぎてつどう)三岐線、北勢線、国道306号、365号、421号が走る。米、野菜、茶などの農業が行われるほか、都市近郊のため工場の立地が進んでいる。また、市内にはゴルフ場が多い。地域に鈴鹿(すずか)山脈を中心とする鈴鹿国定公園を含み、藤原岳御池岳(おいけがたけ)などのほか、竜(りゅう)ヶ岳と釈迦(しゃか)ヶ岳の間を東へ流れる宇賀(うが)川の上流宇賀渓員弁川の支流青川の上流に青川峡がある。隣接の滋賀県多賀町との境に鞍掛(くらかけ)峠があり、国道306号の鞍掛トンネルが通じる。また、北部には梅林公園やエコ福祉広場を含む「いなべ市農業公園」、東部にシンボルタワーがそびえる「いなべ公園」などがある。面積219.83平方キロメートル(境界一部未定)、人口4万4973(2020)。

[編集部]


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