いなのめの

精選版 日本国語大辞典 「いなのめの」の意味・読み・例文・類語

いなのめ‐の

「夜が明く」の「明く」にかかる。
万葉(8C後)一〇・二〇二二「相見らく飽き足(だ)らねども稲目(いなのめの)明けさりにけり船出(ふなで)せむ妻」
[補注]語源およびかかり方については諸説ある。(イ)「いな(寝)のめ(目)」が朝方に開くから「(夜が)明く」にかかる。(ロ)「いなのめ」は「しののめ」(暁方の意)と同義で、あるところからとする。(ハ)「いな(稲)のめ(目)」(稲の穂の出始める意)を夜明けにたとえるところからとする。(ニ)「イナ(鯔)のめ(眼)」が赤いところから「赤」と同音の「明」にかかる。(ホ)採光通風のために、稲藁を粗く編んだむしろのすきま(稲の目)から明け方の光がさし込むところから、など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「いなのめの」の意味・読み・例文・類語

いなのめ‐の

[枕]語義未詳。「明く」にかかる。
「―明けさりにけり」〈・二〇二二〉

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