いでや(読み)イデヤ

デジタル大辞泉 「いでや」の意味・読み・例文・類語

いで‐や

[感]《「や」は終助詞、「いで」を強めていう語》
困惑やとまどいや不承知気持ちなどを表す。いやもう。さあ。さてまあ。
「―、憂かりける世かな」〈少女
改まって事柄を述べるときに用いる。さて。
「―この世に生まれては願はしかるべきことこそ多かめれ」〈徒然・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「いでや」の意味・読み・例文・類語

いで‐や

感動〙 (感動詞「いで」に間投助詞「や」が付いてできた語) 「いで」を強めて言う語。
① ためらいを含みつつ発言する時に用いる。いやもう。さてもう。なんとまあ。
古今(905‐914)雑体・一〇四〇「我をのみ思ふといはばあるべきをいでや心はおほぬさにして〈よみ人しらず〉」
今昔(1120頃か)二六「いでや、何(いか)がせまし」
② あり得る反対の可能性の否定を含めて発言する時に用いる。とにかく。
徒然草(1331頃)一「いでや、この世に生れては、願はしかるべき事こそ多かめれ」
相手言葉をさえぎって発言する時に用いる。いいえ。いやいや。不満、反発の気持が強い。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)若紫「いでや、なにしにさいふとも田舎びたらむ」

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