いささ群竹(読み)いささむらたけ

精選版 日本国語大辞典 「いささ群竹」の意味・読み・例文・類語

いささ‐むらたけ【いささ群竹】

〘名〙
① (「いささ」の語義未詳。接頭語「いささ」とする説と、「い笹」(「い」はもと神聖の意の「斎」で、接頭語)とする説とがある。「むらたけ」は群生している竹) 語義未詳。
万葉(8C後)一九・四二九一「我が宿の伊佐左村竹(イササむらたけ)吹く風の音のかそけきこの夕べかも」
② (「いささ」を「い笹」の意に解釈して) 群生している笹。
読本椿説弓張月(1807‐11)後「草葉に集(すだ)く虫の音に小篠(イササ)むら竹夕くれて」
③ (「いささ」を「いささか」の意に解釈して) わずかに生えている竹。
※良寛歌(1835頃)「ももなかのいささむらたけいささめにいささか残す水茎(みづくき)の跡」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「いささ群竹」の意味・読み・例文・類語

いささ‐むらたけ【いささ群竹】

少しばかりの竹の茂みの意か。神聖な竹の茂みの意の「斎笹いささ」とする説もある。
「わが屋戸の―吹く風の音のかそけきこのゆふへかも」〈・四二九一〉

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