いさ‐くさ
〘名〙
※
黄表紙・孔子縞于時藍染(1789)上「おのづから君子の徳至れば、いさくさのなき御代となり」
② 相手にさからうような言い分。
文句。
抗議。いざこざ。
※
歌舞伎・
彩入御伽草(1808)蛍ケ沼の場「それが否
(いや)なら、あの女中にいさくさは無いか」
③ (副詞的に用いる)
苦情を言うさまにいう。ぐずぐず。つべこべ。いざこざ。
※或る女(1919)〈
有島武郎〉前「何んでも
正面から打
(ぶ)っ突かって、いさくさ云はせず決めてしまふ外はないよ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「いさくさ」の意味・読み・例文・類語
いさ‐くさ
1 いざこざ。もめごと。
「今度はどうかこうか折り合いがついて、体した―もないようです」〈三重吉・小鳥の巣〉
2 (副詞的に用いて)ぐずぐず。つべこべ。
「そんな人達に会って―口をきくよりも」〈有島・或る女〉
3 苦情。文句。
「親分、―を言ひに来る」〈滑・膝栗毛・発端〉
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