あつものに懲りて膾を吹く(読み)あつものにこりてなますをふく

故事成語を知る辞典 の解説

あつものに懲りて膾を吹く

一度の失敗にこりて、必要以上に用心することのたとえ。

[使用例] あつものに懲りて膾を吹くは、株を守って兎を待つと、等しく一様の大律に支配せらる[夏目漱石虞美人草|1907]

[由来] 「楚辞」の一節から。主君をいさめようとして嫌われてしまった、臣下の気持ちをうたった作品の一節に、「羹に懲るる者はあえものを吹く、何ぞの志を変えざるや(吸い物の熱さにこりて、野菜のあえもののような冷たい料理までも吹いてさます者もいるのに、主君をいさめて失敗した自分は、どうして考えを変えようとしないのだろう)」とあります。日本では、この「虀」が「膾(細かく刻んだ生肉)」に変わった形で定着しています。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android