精選版 日本国語大辞典 「あいしらう」の意味・読み・例文・類語
あい‐しら・う あひしらふ
(「あえしらう」の変化した語で「あしらう」の原形か)
[1] 〘自ハ四〙
① 程よく応じて調和する。
※古今連談集(1444‐48頃)上「いかに案ずる共、なき所前句にあひしらひて、そとやるを第一の耳と申すなり」
② 相手になる。相手をする。
(イ) 応対する。応答する。
※源氏(1001‐14頃)末摘花「いと深からずとも、なだらかなるほどにあひしらはむ人もがな」
※高野本平家(13C前)一「文をとりいるる事もなく、まして使にあひしらふ迄もなかりけり」
(ロ) 応戦する。
※平治(1220頃か)中「頼盛も甲を打ちかたぶけ打ちかたぶけ、あひしらはれければ」
[2] 〘他ハ四〙
① 取り扱う。程よく処理する。適当にもてなす。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)九「三公になったとて。身を高ぶって人をあいしらう事はないぞ。布衣のをかしげなる者をも、へりくだってあいしらうぞ」
② 取り合わせる。添える。
③ 連俳の方式で、「月の雪」「霜の花」のように、実際の月や花でないものを、詞の用い方によって、そのように扱う。
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