『デトロイト・メタル・シティ』(読み)でとろいとめたるしてぃ

知恵蔵 の解説

『デトロイト・メタル・シティ』

「このマンガを読め!2007」「このマンガがすごい!2007・オトコ版」両誌のマンガアンケートでともに1位を占めるなど、大ブレイクした若杉公徳のお笑いデスメタルマンガ。爆発力のあるストレートなギャグが男性読者に広く支持されている。大分県出身の主人公根岸崇一はもともと甘くやさしい欧州ポップスの愛好家だったが、デスメタルバンドのカリスマ的ボーカリスト、ヨハネ・クラウザーII世として売り出され、過激な歌と言動で大人気を博してしまう。おどろおどろしい悪魔的なメークに身をやつすと人格が変わり、バンド対決を挑んでくるライバルたちを、反社会的な歌詞づくりの才能と徹底したキレぶりで次々撃破していく。心優しくありたいと願う普段の自分との隔たりに苦しめば苦しむほど、クラウザーとなった時のはじけぶりはさらに強烈に。対決と勝利の繰り返しは、仮面を着けると特殊な能力を発揮するスーパーヒーローものとしても読める。白泉社刊。3巻まで刊行され累計発行部数は130万部。

(鈴木繁 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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