高家・豪家(読み)こうけ

精選版 日本国語大辞典 「高家・豪家」の意味・読み・例文・類語

こう‐け カウ‥【高家・豪家】

〘名〙 (「豪」の漢音は「こう」。「ごう」は慣用音)
家柄のよい家。格式の高い旧家。名家。また、権勢のある家。
※三代格‐一九・貞観六年(864)九月四日「市人等属仕王臣家本司、事加召勘則称高家従者
※宇津保(970‐999頃)祭の使「かうけを頼み、たからを尽して、したにくくりをしつつはなやぐ人は学生にはあらず」
② たよりとする権威あるもの。頼みと思うところ。たよりどころ。また、その権威。
※栄花(1028‐92頃)玉の村菊「この御もののけをかうけにて、さまざまあるにこそありけれ」
③ 特に、武家名門。由緒正しい武家の家柄。
※源平盛衰記(14C前)三七「高家(カウケ)には秩父・足利・三浦」
公家(くげ)公卿(くぎょう)
※説経節・あいごの若(山本九兵衛板)(1661)初「らくやうのこうけ、一人ものこらずきんだちを引くし」
⑤ 江戸幕府の身分兼職名の一つ。老中の支配に属し、朝廷への使節、伊勢・日光への代拝、勅使・公卿衆の接待、その他幕府の儀式、典礼をつかさどった。武田畠山織田上杉吉良など、室町以来の名家が任ぜられ、万石以下ではあったが、官位大名に準ぜられ、四位五位侍従、または少将に昇進できた。
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)上「東の高家入間殿より御養子ぶんの約束にて」
[補注]→「ごうけ(豪家)」の補注

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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