霧雨(読み)きりあめ

精選版 日本国語大辞典 「霧雨」の意味・読み・例文・類語

きり‐あめ【霧雨】

〘名〙
※玉塵抄(1563)一二霏微は、雨とわきりあめのふった心ぞ」
※俳諧・紅梅千句(1655)六「三階二階の上の月みして〈正章〉 はるれば笠もいらぬ霧あめ〈貞徳〉」
② (身にかからないようでかかるというしゃれから) 親の意見をいう。〔東京語辞典(1917)〕

きり‐さめ【霧雨】

〘名〙 微小な水滴直径〇・五ミリメートル未満)が、気流のかすかな流れに舞いながら煙るように降る雨。低く連続した層雲から降る。ぬかあめ。きりあめ。《季・秋》
四河入海(17C前)一四「きりさめなる程に、是は雨やらう、雨ではないやらうと思ぞ」

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デジタル大辞泉 「霧雨」の意味・読み・例文・類語

きり‐さめ【霧雨】

のような細かい雨。水滴の直径0.5ミリ未満をいい、低い層雲から降る。糠雨ぬかあめ小糠雨。きりあめ。 秋》
[類語]小雨こさめ小雨しょうう糠雨小糠雨雨天荒天悪天雨空梅雨空雨降り雨催い雨模様遣らずの雨降雨一雨お湿り慈雨山雨涙雨微雨細雨煙雨大雨・どか雨・篠突く雨風雨暴風雨豪雨強雨雷雨にわか雨通り雨村雨驟雨夕立白雨スコール照り降り雨日照り雨天気雨狐の嫁入り春雨はるさめ春雨しゅんう卯の花腐し五月雨さみだれ五月雨さつきあめ地雨長雨淫雨霖雨涼雨秋霖秋雨時雨初時雨村時雨氷雨冷雨雨氷酸性雨

きり‐あめ【霧雨】

きりさめ」に同じ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「霧雨」の意味・わかりやすい解説

霧雨
きりさめ
drizzle

直径 0.5mm未満の多数の微小な水滴が一様に降る降水。霧雨は低く垂れこめる厚い層雲から降る。ときには地面に達して霧となる。視程を著しく悪くするが,特に海岸沿いや山岳地帯では,霧雨による降水量が 1時間に 1mm以上になることは少ない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「霧雨」の意味・わかりやすい解説

霧雨
きりさめ

普通の雨よりも滴が小さくて数が多い雨。直径は0.5ミリメートル以下とされている。霧あるいは層雲の中で、霧粒雲粒併合によって大きくなり、霧雨ができる。滴が小さいため、弱い風にも流されやすい。一般に量は少ないが、海岸や山地ではかなりの量に達することもある。雨の降り始めに、高層雲などから小粒の雨が少量降ることがあるが、これは霧雨ではない。

[篠原武次]

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普及版 字通 「霧雨」の読み・字形・画数・意味

【霧雨】むう

ぬか雨

字通「霧」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の霧雨の言及

【雨】より

…(e)集中豪雨 マスコミによって言われ出したことばで,極端に短時間に多く激しく降る雨。(f)霧雨(きりさめ) ぬか雨,こぬか雨ともいう。春先にぬかのようにしとしと降る雨。…

※「霧雨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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