(読み)りょう

精選版 日本国語大辞典 「霊」の意味・読み・例文・類語

りょう リャウ【霊】

〘名〙 たたりをなす生霊(いきりょう)死霊など。怨霊(おんりょう)。ろう。
源氏(1001‐14頃)柏木陰陽師なども、おほくは、女のりゃうとのみ、うらなひ申しければ」

ろう ラウ【霊】

〘名〙 死霊(しりょう)、または生霊(いきりょう)。たたりをなすれい。りょう。
※源氏(1001‐14頃)葵「この御生霊、故父大臣の御らうなどいふ者あり」

ち【霊】

語素〙 神や自然の霊の意で、神秘的な力を表わす。「みずち(水霊)」「のつち(野霊)」「いかずち(雷)」「おろち大蛇)」。「わたつみ」「やまつみ」「ほほでみ」の「み」と同じ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「霊」の意味・読み・例文・類語

れい【霊〔靈〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]レイ(漢) リョウ(リャウ)(呉) [訓]たま たましい
〈レイ〉
不思議な力や働きをもつ存在。万物に宿る精気。「山霊神霊精霊せいれい
肉体に宿ってその活動をつかさどる精神的実体。たましい。「霊肉霊魂不滅心霊全身全霊
死者のたましい。「霊園霊前霊安室慰霊英霊祖霊亡霊幽霊
不思議な力をもつ。人知で測り知れない。「霊感霊気霊験れいげん霊獣霊峰霊妙霊薬霊長類
〈リョウ〉たましい。死者のたましい。「悪霊生霊いきりょう怨霊おんりょう死霊精霊しょうりょう
〈たま(だま)〉「霊屋たまや言霊ことだま
[名のり]よし
難読産霊むすひ

れい【霊】

肉体と独立して存在すると考えられる心の本体。また、死者の魂。霊魂。たま。「祖先を祭る」
目に見えず、人知でははかりしれない不思議な働きのあるもの。神霊・山霊など。
[類語]霊魂み霊英霊英魂神霊祖霊精霊魂魄忠霊尊霊亡魂

ち【霊】

[語素]自然の事物などの名詞の下に付いて、それが神秘的な力をもつ意を表す。「いかず(雷)」「おろ(大蛇)」「みず(水霊)」

たま【霊/魂/×魄】

たましい1」に同じ。「肝っ―」「人―」
空蝉のからは木ごとにとどむれど―のゆくへを見ぬぞかなしき」〈古今物名

りょう〔リヤウ〕【霊】

たたりをなす生き霊や死霊。怨霊おんりょう
「このごろかくわづらふを、もの問はせつれば、女の―となむ言ひつる」〈宇津保・あて宮〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【聖霊】より

…霊は一般に超自然的な働きをもち,特定の宗教であるなしにかかわらず精神や身体に働きかけて,これに生命と特殊な力とを付与するものと考えられた。霊の働きはふつう宗教と共同体とに制約され,霊能者はその中でしか生まれないと見られるが,その制約と価値づけを超えるのが霊の特質でもあるので,非論理(パラロジカル)であるだけでなく,悪霊ともいっしょになって働くのである。…

※「霊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android