雨氷(読み)うひょう

精選版 日本国語大辞典 「雨氷」の意味・読み・例文・類語

う‐ひょう【雨氷】

〘名〙 冬季天候がきわめて静穏なとき、上層に生じた雨滴が、下層冷気を通過して、過冷却した水滴として降ってきて、木の枝やその他地物に触れる瞬間に透明に近い状態で氷結したもの。《季・冬》

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デジタル大辞泉 「雨氷」の意味・読み・例文・類語

う‐ひょう【雨氷】

セ氏零度以下に冷却した雨滴が樹木や地物に当たって凍り、透明な氷層となったもの。 冬》
[類語]雨天荒天悪天雨空梅雨空雨降り雨催い雨模様遣らずの雨降雨一雨お湿り慈雨山雨小雨涙雨微雨細雨煙雨霧雨糠雨小糠雨大雨・どか雨・篠突く雨風雨暴風雨豪雨強雨雷雨にわか雨通り雨村雨驟雨夕立白雨スコール照り降り雨日照り雨天気雨狐の嫁入り春雨はるさめ春雨しゅんう卯の花腐し五月雨さみだれ五月雨さつきあめ地雨長雨淫雨霖雨涼雨秋霖秋雨時雨初時雨村時雨氷雨冷雨酸性雨

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雨氷」の意味・わかりやすい解説

雨氷
うひょう

氷点近く、あるいは氷点下に過冷却した雨滴が、地面や地物に凍り付いたもの。木の枝などは表面が滑らかで透明な氷に包まれる。飛行機に雨氷が付着することも珍しくない。いったん降った雨水があとで冷却してできた氷は、たとえ似ていても雨氷ではない。比較的地面に近い高さに、かなりの厚さをもつ氷点下の気層があるのが、雨氷ができる条件である。普通、寒地でしかみられないが、亜熱帯香港(ホンコン)で観測されたことがある。

[篠原武次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雨氷」の意味・わかりやすい解説

雨氷
うひょう
glaze

過冷却した,氷点下になっても氷にならず水の状態の霧雨またはが,地面や地物にあたって凍結した均質で透明な氷層。

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普及版 字通 「雨氷」の読み・字形・画数・意味

【雨氷】うひよう

ひさめ。

字通「雨」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「雨氷」の意味・わかりやすい解説

雨氷【うひょう】

過冷却した雨滴が樹木や地物に当たって凍りついた透明な氷。高山で起こりやすい。

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世界大百科事典(旧版)内の雨氷の言及

【航空気象】より

…いまでは一般に鋭角突風,鉛直ドラフトなどの名称で取り上げられている。着氷icing雨氷と樹氷の2種があり,航空機に着く着氷の程度によって弱,並,強と着氷なしの4階級に分類される。雨氷clear ice(glaze)は凍結高度以上の不安定な過冷却の水滴からできている雲の中や,温暖前線面の下の寒気中に強雨の降り注ぐ凍結層に発生しやすい(図2)。…

【着氷】より

…大気中の水蒸気が物体に昇華したり,また主として過冷却雲粒や水滴が物体に付着し凍結してできた氷,およびその現象。したがって着氷には,そのでき方によって霧氷の過程をとるものと雨氷の過程をとるものがあるが,一般には後者の場合をいうことが多い。過冷却雲中を飛行中の航空機への着氷は,揚力やプロペラの効率を減じ,最も危険視されている(航空気象)。…

【霧氷】より

…粗氷のできる条件よりもさらに気温が高く,霧雨や雨滴が付着すると瞬間的に凍りきれず,徐々に凍り透明な氷になる。これはとくに雨氷glazeと呼んでいる。【菊地 勝弘】。…

※「雨氷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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