デジタル大辞泉
「陸」の意味・読み・例文・類語
ろく【▽陸/×碌】
[名・形動]
1 (あとに打消しの語を伴って用いる)正常なこと。まともなこと。満足できる状態であること。また、そのさま。まとも。「―な品物がない」「―に休みもとれない」
2 (陸)土地や物の面の平らなこと。また、そのさま。平坦。「―屋根」
「とてものことに地を―にならしたきものかな」〈咄・露がはなし・五〉
3 気分の平らかなこと。安らかなこと。また、そのさま。
「―に休ませ給へと帯の結び目とくとくといふに」〈浮・御前義経記・二〉
[補説]「碌」は当て字。
[類語]めったに・ろくろく・ろくすっぽ
くぬ‐が【▽陸】
《「くにが(国処)」の音変化》陸地。くが。⇔海処。
「其れ薗池水―の利に」〈孝徳紀〉
くが【▽陸】
《「くにが(国所)」の音変化》陸地。りく。くぬが。
「水鳥の―にまどへる心地して」〈源・玉鬘〉
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くが【陸】
〘名〙 (「くぬが」の変化した語)
① 海、川、湖、沼などに対して、陸の部分。陸地。くにが。くぬが。
※
書紀(720)神代下(寛文版訓)「此れ、海
(うみ)陸
(クガ)相通
(かよは)ざる縁
(ことのもと)なり」
※
源氏(1001‐14頃)玉鬘「水鳥のくがにまどへる心ちして」
②
海路などに対して、陸上を行く道。陸路。くがじ。
※交隣須知(18C中か)二「陸路 クガヲユクユヱ ニモツハ フネノ人ニ タノムヨリホカハゴザラヌ」
[語誌](1)水部に対する語であり、後には②のように海路・水路に対する陸路をさすようにもなる。
(2)語形としては「クムガ」(書陵部本名義抄・色葉字類抄)、「クヌガ」(日本書紀古訓)、「クニガ」(改正増補和英語林集成)などがあり一定しない。語源的には「国
(クニ)処
(カ)」ともいわれるが、そうだとすると、日本書紀古訓の「クヌガ」は「クヌチ(国内)」などとの
類推から作られた語形である可能性もある。
りく【陸】
〘名〙
① 地球表面上で水におおわれていない部分。地球表面積の約四分の一で、
岩石および
土壌で構成されている。おか。くが。陸地。
※文明本節用集(室町中)「古法不
レ施
二於今
一、猶
三舟不
レ可
レ行
二之於陸
(リク)一〔
後漢書〕」
②
ビリヤードで、突き出した
キューに球が二度当たってしまう
反則。旧日本陸軍の間でビリヤードがはやった時、陸軍の
軍人が、この反則を無視して
ゲームをしたところからいわれるようになったという。
くぬ‐が【陸】
〘名〙 (「くにが(国処)」の変化した語) 陸地。くむが。くが。⇔
海処(うみが)。
※書紀(720)欽明六年一一月(寛文版訓)「敬みて糸綸(みこと)を受けて、陸(クヌカ)海(うみ)に劬労(たしな)み」
くむ‐が【陸】
※石山寺本大般涅槃経平安中期点(950頃)九「若は水、若は陸(クムカ)、山澗の薬草」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報