長崎夜話草(読み)ながさきやわぐさ

改訂新版 世界大百科事典 「長崎夜話草」の意味・わかりやすい解説

長崎夜話草 (ながさきやわぐさ)

江戸中期の対外関係史話。5巻。西川如見(忠英)の著。1720年(享保5)に成る。京都の書店の求めに応じて,外国船の渡来事情,漂流漂着事件など対外的なトピックスを主に,孝子など長崎逸話,特産品39種を解説したもの。お春の〈じゃがたら文〉は有名。鎖国前の世代がいなくなったあとの,世人の対外的関心所在が知られる好資料。岩波文庫,長崎叢書ほか所収
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日本歴史地名大系 「長崎夜話草」の解説

長崎夜話草
ながさきやわぐさ

五巻五冊 西川如見編著

成立 享保五年跋

写本 長崎市立博物館など

解説 異国船の渡来事情、漂流・漂着や事件など、対外関係史の挿話や、長崎市中の地誌など。

活字本 岩波文庫・長崎叢書一

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「長崎夜話草」の解説

長崎夜話草
ながさきやわそう

江戸前・中期の長崎や異国に関する記事を記した書。5巻。西川正休(せいきゅう)が父如見(じょけん)の語った話を筆記しまとめた。1720年(享保5)刊。巻1~3が長崎ゆかりの故事や異国船往来の事情,鎖国禁教に関する記事で,巻4は長崎の孝子・義夫・烈女などの記事,巻5は付録として眼鏡細工や硝子などの長崎土産を紹介する。とくにジャガタラ文などを紹介し,鎖国禁教体制の形成過程のエピソードが載る記事には,当時の長崎の状況を知るうえで貴重なものも少なくない。「岩波文庫」「長崎叢書」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長崎夜話草」の意味・わかりやすい解説

長崎夜話草
ながさきやわぐさ

西川如見著。5巻。享保5 (1720) 年成立。みずからの長崎の見聞を,子の正休に口述筆記させたもの。長崎の由来,海外長崎貿易などに始り,長崎の風俗,人情,孝子,烈婦などの人物記事,さらに特産物,みやげ物などにまで言及している。長崎史,地誌として貴重なものである。『長崎叢書』『西川如見遺書』『岩波文庫』に所収。

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