重複(読み)ちょうふく

精選版 日本国語大辞典 「重複」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐ふく【重複】

〘名〙
① 同じ物事がいくたびか重なること。二重。じゅうふく。
※杜詩続翠抄(1439頃)一五「老の字与垂白重複した様なれども」 〔晉書‐桓冲伝〕
② 重なり合うこと。重畳。じゅうふく。〔顔延之‐始安郡還都詩〕

じゅう‐ふく ヂュウ‥【重複】

〘名〙 同じ物事がいくたびかかさなること。かさなり合うこと。ちょうふく。
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉一五「古物商中間に働らく仲買多数は概して失敗を重覆(ヂウフク)したる商人落武者にして」

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デジタル大辞泉 「重複」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐ふく【重複】

[名](スル)
同じ物事が重なり合うこと。じゅうふく。「語句重複を避ける」「話が重複する」
染色体一部が余分に付着していること。染色体異常の一。
[類語]反復循環繰り返すダブる

じゅう‐ふく〔ヂユウ‐〕【重複】

[名](スル)ちょうふく(重複)」に同じ。「重複して申し込む」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「重複」の読み・字形・画数・意味

【重複】ちようふく

かさなる。〔北史、李謐伝〕(つね)に曰く、夫書を擁(よう)すること卷ならば、何ぞ南面百を假(か)らんと。跡して帷を下し(深居読書)、門を杜(とざ)し却し、て書を營み、手自ら刪(さんさく)し、卷に重複無き四千餘なり。

字通「重」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の重複の言及

【突然変異】より


[染色体突然変異]
 これは元来,光学顕微鏡で観察できる染色体の構造変化,たとえば体細胞分裂中期の染色体の形態,減数分裂中期の染色体対合の状態,ショウジョウバエの唾腺(だせん)染色体のような巨大染色体の縞模様などによって解析されるものを指したが,現在では遺伝解析,電子顕微鏡観察,化学分析などによって検出できる微小なものも含めるようになっている。その中には,染色体の一部(末端部分の場合も中間部分の場合もある)が消失した欠失deletion,染色体の一部が同一染色体の別の場所または別の染色体に移った転座translocation,染色体の一部が本来の場所に隣接または別の場所に付け加わった重複duplication,染色体の一部の方向性が逆になった逆位inversionなどがある(図2)。いずれも染色体の切断‐再結合および不等組換え,非相同染色体組換えなどの異常組換えによって生じると考えられている(図3)。…

※「重複」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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