精選版 日本国語大辞典 「那珂」の意味・読み・例文・類語
なか【那珂】
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茨城県中部の市。2005年1月那珂町が瓜連(うりづら)町を編入して成立した。人口5万4240(2010)。
那珂市北西端の旧町。旧那珂郡所属。人口9086(2000)。町域は久慈川南岸の低地から那珂台地にかけて広がる。主産業は農業であるが,生産性は低い。《常陸国風土記》に記された〈静織の里〉の地といわれ,織物の神建葉槌命をまつった静神社(常陸二宮)がある。また南北朝期に南北両軍の決戦場となった瓜連城跡,江戸時代に常陸浄土宗の総本寺であった常福寺がある。古徳池はオオハクチョウの飛来地として知られる。JR水郡線が通じている。
那珂市の北西端を除く旧町。旧那珂郡所属。人口4万5983(2000)。町域は那珂川と久慈川にはさまれた那珂台地を占める。中心集落の菅谷(すがや)は棚倉街道の宿駅として栄えたところで,5km近く連なった街村形態をもつ。周辺は畑作地帯で,ゴボウ,ヤマイモ,ラッカセイなどの野菜や苗木の生産が多い。ゴボウは県下の生産の中心で,水戸ゴボウの名で多くは関西市場に送られる。水戸市,ひたちなか市,日立市などに近接し,交通の便もよいため,1960年代半ばから住宅地化が進み,カメラ部品などの工場も進出している。県民の森や植物園,笠松運動公園などの施設がある。本米崎(もとこめざき)の上宮寺には重要文化財の紙本著色《聖徳太子絵伝》がある。JR水郡線,国道118号,349号線が通じ,84年には常磐自動車道のインターチェンジが開設された。
執筆者:千葉 立也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
茨城県北部、那珂郡にあった旧町名(那珂町(まち))。現在は那珂市の中央部から南部を占める地域。旧那珂町は1955年(昭和30)菅谷(すがや)町と神崎(かんざき)、額田(ぬかだ)、五台(ごだい)、戸多(とだ)、芳野(よしの)、木崎(きざき)の6村が合併して成立。郡名を町名とした。2005年(平成17)同郡瓜連町(うりづらまち)を編入して市制施行、那珂市となった。旧町域は那珂台地と那珂川、久慈(くじ)川の沿岸低地をもつ。JR水郡(すいぐん)線、国道6号、118号、349号が通じ、常磐(じょうばん)自動車道那珂インターチェンジがある。中世は江戸氏から佐竹氏、近世は水戸藩の支配を経て、明治以後は、那珂郡政の中心をなした。菅谷は棚倉(たなぐら)街道(国道349号)の宿場であった。台地が広くゴボウは主産地、米、ラッカセイ、いも類、野菜類などの栽培が盛ん。スギ苗は杉(すぎ)地区を中心に近世以来の生産地。東海村に隣接し、1985年に日本原子力研究所那珂研究所(現、日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所)が開設。県の施設が多く、笠松運動公園、県民の森、植物園(熱帯植物館あり)、きのこ博士館、鳥獣センター、林業技術センターなどが設置されている。水戸市や、ひたちなか市に接し、那珂インターチェンジもあるため、食品、電気機器、機械などの工業も行われ、那珂西部工業団地も造成された。1965年以降、人口も増えている。3年に一度、8月に行われる菅谷の鹿島(かしま)神社大助祭(おおすけまつり)(提灯(ちょうちん)祭)は有名。上宮寺(じょうぐうじ)の聖徳太子絵伝(えでん)は国指定重要文化財。鈴木家住宅など県指定文化財も多い。
[櫻井明俊]
『『那珂郡那珂町史』(1956・那珂町)』
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