遠心分離(読み)エンシンブンリ

化学辞典 第2版 「遠心分離」の解説

遠心分離
エンシンブンリ
centrifugal separation

遠心力を利用して,液体中あるいは気体中に浮遊する液滴,あるいは固体粒子を分離する操作をいう.液体中における固体の遠心分離には,遠心力場内の粒子の沈降による遠心沈降があり,液-液分離にも用いられる.また,分子の質量差によって混合気体を分離するガス遠心分離は,ウラン濃縮に用いられる.固-気系の遠心分離には,気流旋回を利用するサイクロンと,インペラを回転して遠心力を生じる機械的遠心集じん機とがある.[別用語参照]遠心機

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遠心分離」の意味・わかりやすい解説

遠心分離
えんしんぶんり
centrifugation

遠心力を利用して成分や比重の異なる物質を分離し,精製,濃縮する工業的処理の方法。油脂の物理的精製法,ラテックス濃縮法,溶融ガラスからガラス繊維をつくる方法などに応用されているが,そのほか液体中の各種粒子の沈降を促進するためや,液体を清澄するためのろ過工程などに利用されている。濃縮ウラン製造のための遠心分離法なども遠心分離の応用例の1つである。

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栄養・生化学辞典 「遠心分離」の解説

遠心分離

 遠心力により液体中の固体粒子または,液体微粒子を分離する操作.

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