通事/通詞(読み)つうじ

百科事典マイペディア 「通事/通詞」の意味・わかりやすい解説

通事/通詞【つうじ】

江戸時代,長崎出島に置かれた地役人で,通訳官兼商務官。通事は唐通事,通詞はオランダ通詞をいった。職は世襲が多い。幕末には唐通事70家,オランダ通詞20家。格式は唐通事が高く,また唐通事は在住の有力明人あるいはその後裔で,1715年以降,貿易許可証の〈信牌〉は唐通事の名でなされた。オランダ通詞は,初めは南蛮通詞から転じたもので,日蘭交渉の初めから享保ころまでオランダ語とポルトガル語を併用した。また蘭学に通じるものが多く,西洋文化の移入に貢献,カピタン江戸参府に付き添った。吉雄(よしお)耕牛楢林鎮山らが有名。
→関連項目青木昆陽オランダ風説書ケンペル志筑忠雄清俗紀聞唐音ドゥーフ吉村昭

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android