許渾(読み)きょこん

精選版 日本国語大辞典 「許渾」の意味・読み・例文・類語

きょ‐こん【許渾】

中国、唐代の詩人。字(あざな)は仲晦、用晦。宣宗のとき監察御史となり、虞部員外郎、睦・郢二州の刺史歴任慷慨(こうがい)悲歌熱情懐古の詩に託した。著「丁卯(ていぼう)集」。生没年不詳。

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デジタル大辞泉 「許渾」の意味・読み・例文・類語

きょ‐こん【許渾】

中国、政治家・詩人。丹陽江蘇省)の人。あざな仲晦ちゅうかい用晦ようかい監察御史虞部ぐぶ員外郎・刺史などを歴任。登楼懐古の作が多く、特に七言律詩にすぐれた。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「許渾」の意味・わかりやすい解説

許渾 (きょこん)
Xǔ Hún
生没年:791-854?

中国,晩唐の詩人。字は仲晦(ちゆうかい)(一説に用晦)。太和6年(832)進士に及第。県令となったが,若いころの苦学がたたって病気になり,罷免された。のち潤州司馬に起用され,刺史を歴任した。晩年は郷里潤州(江蘇省)丹徒県の丁卯橋(ていぼうきよう)のほとりにあった別荘に隠居した。やや後輩の詩人韋荘は〈江南の才子許渾の詩,字字清新にして句句奇なり〉と評する。《丁卯集》2巻が伝わる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「許渾」の意味・わかりやすい解説

許渾
きょこん
Xu Hun

[生]貞元7(791)
[没]大中8(854)?
中国,晩唐の詩人。潤州丹陽 (江蘇省鎮江) の人。字,用晦 (ようかい) 。太和6 (832) 年進士に及第。病弱のため一時退官したが,のち潤州司馬,監察御史 (849) ,虞部員外郎,睦州 (浙江省) ,郢州 (湖北省) の刺史を歴任。晩年は潤州の丁卯澗 (ていぼうかん) の別荘に隠棲したので,詩集を『丁卯集』といい,詩風を「丁卯体」と呼ぶことがある。穏やかな詩境を巧みにまとめた詩が多い一面,慷慨悲歌の格調をもち,特に懐古の情を述べた律詩に佳編がある。

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