訓(漢字)

普及版 字通 「訓(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] クン
[字訓] おしえる・みちびく・よむ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は川(せん)。〔説文〕三上に「するなり」とする。〔詩、周頌、烈文〕「四方其れ之れに訓(したが)ふ」、また〔書、洪範〕「是れ訓ふ」のように、古く順の義に用いる。同じく川声の字で、通用したのであろう。〔周礼、地官〕に「土訓」「誦訓」などの職があり、〔土訓〕は「地事を詔(たす)け」、〔誦訓〕は「辟忌(へきき)を誥(つ)げる」ことを掌る。いずれも地霊を安んずるための呪儀を掌るもので、そのとき誦する呪的な語が「訓」とよばれるものであろう。のち教訓・訓詁の意となる。

[訓義]
1. 神霊に告げ誦することば、いましめる、いましめ。
2. したがう。
3. おしえる、みちびく。
4. よむ、よみとく、わけ。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕訓 ミチビク・ススム・サトル・ヲシフ・シタシ・イマシム・シタガフ・シタフ

[語系]
訓xiun、順djiun、馴ziunはみな川thjyun声で声義近く、〔土訓〕〔誦訓〕の掌るところは、おそらくわが国の序詞枕詞のように、地霊などをなだめる呪語であったのであろう。

[熟語]
訓化訓戒・訓解訓誡訓誨・訓革・訓義・訓御・訓教・訓詁・訓故訓告・訓告訓辞訓示訓釈訓授・訓習・訓術・訓奨・訓章・訓説・訓卒訓飭訓迪・訓典・訓点・訓伝・訓導・訓範・訓命・訓訓喩訓諭・訓誘・訓旅訓令・訓練
[下接語]
貽訓・遺訓・彝訓・懿訓・音訓家訓・格訓・義訓・儀訓・教訓・恵訓・厳訓・古訓・故訓・詁訓・弘訓・恒訓・校訓・高訓・時訓・乗訓・常訓・正訓・成訓・聖訓・請訓・祖訓・通訓・帝訓・庭訓・典訓・土訓・道訓・導訓・内訓・難訓・納訓・反訓・敷訓・明訓・和訓

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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