(読み)じゅつ

精選版 日本国語大辞典 「術」の意味・読み・例文・類語

じゅつ【術】

〘名〙
① わざ。技芸。また、学問。学術。
随筆・胆大小心録(1808)四八「佞(ねい)にして奸(かん)にして智あり勇あり術あり、どうもこなされぬ大将ゆへ、とうと天下を総追捕使じゃ」
方法。てだて。手段。すべ。また、生活の手段。
※続浦島子伝記(920)九光芝草「千茎芝蘭駐老之方。百節昌蒲延齢之術」
※太平記(14C後)二二「一日の中に三度戦の術(ジュツ)を教へんに」 〔戦国策‐韓策・昭侯〕
策略。たくらみ。はかりごと。
※浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一「袴の肩もきっとせし目のうち鋭き術ある人相
④ 修験者(しゅげんじゃ)や陰陽師などの、まじないの法。まじない。妖術。魔法。
※寛永版曾我物語(南北朝頃)一二「病極めて重き者の、薬ばかりにてはと疑ひて服せずは、耆婆がじゅつも扁鵲が医方も益あるべからず」 〔史記‐封禅書〕
忍者などが用いる忍び込むための方法。忍びの術。忍術
談義本・風流志道軒伝(1763)四「其容㒵(ようぼう)賤からざる者の、何故かかる術(ジュツ)をなして、我後宮へ忍び入たりや」

すべ【術】

〘名〙 なすべき手だて。そうすればよいというしかた。手段。方法。多く打消を伴って用いられる。
※続日本紀‐宝亀二年(771)二月二二日・宣命「言はむ須部(スベ)もなく為(せ)む須倍(スベ)もしらに」
※人形愛(1976)〈高橋たか子〉一「なすすべもわからず呆然としているだけであった私は」

ばけ【術】

〘名〙 (「ばけ(化)」と同語源) てだて。はかりごと。手段。じゅつ。みち
書紀(720)皇極四年四月(岩崎本平安中期訓)「鞍作得志、虎を以て友と為て其の術(ハケ)を学ひ取れり」

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デジタル大辞泉 「術」の意味・読み・例文・類語

じゅつ【術】

人が身につける特別の技。技術。「剣の
手段。方法。てだて。すべ。「もはや施すもなし」
策略。計略。はかりごと。たくらみ。「をめぐらす」
人知をこえた不思議なわざ。忍術・魔術・妖術など。「透視」「奇怪なをつかう」
[類語]方法仕方り方仕振り仕様しようよう方式流儀り口でん致し方手段手口メソッド方途機軸定石てだて方便術計

じゅつ【術】[漢字項目]

[音]ジュツ(慣) [訓]すべ わざ
学習漢字]5年
方法。手段。すべ。「術策術数仁術戦術秘術
わざ。技芸。「学術奇術技術芸術剣術算術手術忍術馬術美術魔術話術
[名のり]てだて・みち・やす・やすし

すべ【術】

目的を遂げるための手段。方法。てだて。「施すも知らない」「なすがない」
[類語]仕方方法やり方仕様致し方手口やり口メソッド方途機軸定石てだて方式方便術計

ばけ【術】

《「化け」と同語源》てだて。すべ。みち。方法。
百姓おほみたからゆたかにする―あらば」〈天武紀〉

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