若気(読み)にやけ

精選版 日本国語大辞典 「若気」の意味・読み・例文・類語

にや‐け【若気】

〘名〙 (古くは「にゃけ」か)
① 鎌倉・室町時代頃、貴人の側にはべって、男色の対象となった少年。
古事談(1212‐15頃)二「長季は宇治殿若気也」 〔明応本節用集(1496)〕
② 尻。肛門
※自戒集(1461‐67頃)「石仏に糞ぬり、経巻にて若気をのごうほどに」
③ 男が色めいた姿をしていること。男が派手に着飾ったり、なまめき媚(こ)びるような態度をとったりすること。また、その者。
※雑俳・柳多留‐一七(1782)「もっぱらにやけをむねとして地紙うり」
[補注]「若気」を語源と考える説、または「弱(ニャク)」との関連を考える説などがある。

わか‐げ【若気】

[1] 〘名〙 年若い人血気にはやる気持若者の未熟で無分別な気持。わかぎ。
平治(1220頃か)中「まことに悪源太わかげのいたす所也」
[2] 〘形動〙 (形容詞「わかい」の語幹接尾語「げ」の付いたもの) いかにも若そうなさま。若々しいさま。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙一二「其言語(ものごし)の若(ワカ)げなるに因れば」

にや・ける【若気】

〘自カ下一〙 (「にやけ(若気)」を動詞化した語。古くは「にゃける」か) 男が女のように色っぽい様子や姿をする。転じて、うわついている。→にやけ
※古文真宝前集抄(1642)一「きる物のえやうを好みなまにやけたるなりをし」

わか‐ぎ【若気】

〘名〙 =わかげ(若気)(一)
黄表紙・御存商売物(1782)下「一枚絵はわかぎのはやまり、まんまと黒本赤本謀略にのり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「若気」の意味・読み・例文・類語

わか‐げ【若気】

若者の、血気にはやる気持ち。わかぎ。
[類語]幼少幼弱幼時幼年若齢若年弱小弱冠年少年若としわか年弱としよわヤング若い幼いいとけなうら若い若若しい若やか若やぐういういしいみずみずしい青臭い溌剌子供らしい青い乳臭い未熟幼稚稚気童心子供っぽい幼心おさなごころ子供心くちばしが黄色い頑是ない子供じみる大人気ない

にや‐け【若気】

《古くは「にゃけ」か》
男が派手に着飾ったり、びるような態度をとったりすること。また、その人。「若気男」
男色を売る若衆陰間かげま
「長季は宇治殿の―なり」〈古事談・二〉

わか‐ぎ【若気】

わかげ(若気)」に同じ。
わつしあ―だ」〈鏡花歌行灯

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