自力(読み)じりき

精選版 日本国語大辞典 「自力」の意味・読み・例文・類語

じ‐りき【自力】

〘名〙 (「りき」は「力」の呉音)
自分ひとりの力。自身の働き。独力
※源平盛衰記(14C前)一八「自力(ジリキ)造営の事は、争(いか)でか叶ふ可きなれば、知識奉加の勧進にて、自他の利益を遍(あまね)うせんと思ひつつ」
② 自然に備わった力。天性技量地力
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉六七「殊には角力が巧手(じゃうず)で、愛嬌があり、実に自力のある処の関取だから」
仏語。総じて、自分の力で修行をして成仏、または浄土往生を得ようとすること。〔往生要集(984‐985)〕
※梵舜本沙石集(1283)二「念仏他力と云ひながら自力もあり。されば二力也」

じ‐りょく【自力】

※福沢先生浮世談(1898)〈福沢諭吉〉「今日の文明多事の世の中に居て僅品品行を慎しむ位の事が自力(ジリョク)に及ばずなど云ふ事は決して許されない」

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デジタル大辞泉 「自力」の意味・読み・例文・類語

じ‐りき【自力】

自分ひとりの力。じりょく。「自力で脱出する」⇔他力たりき
仏語。自分だけの力で修行し悟りを得ようとすること。⇔他力たりき
[類語]独力一人独り立ち独立独立独歩自活自立一本立ち独り歩き独歩専行独行孤軍奮闘一匹狼アウトサイダー異端者異分子

じ‐りょく【自力】

じりき(自力)1

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普及版 字通 「自力」の読み・字形・画数・意味

【自力】じりよく

自分の力。

字通「自」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の自力の言及

【他力本願】より

…他力とはみずからの力によらないで,仏・菩薩の力によって救われること,とくに阿弥陀仏の四十八願,別しては第18願による救済をさす。浄土教では浄土門・念仏行を他力とし,聖道(しようどう)門・余行を自力(じりき)とする。また他力を他力本願の意とし,本願によらないものを自力とする。…

※「自力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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