腫脹(読み)しゅちょう

精選版 日本国語大辞典 「腫脹」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐ちょう ‥チャウ【腫脹】

〘名〙 はれふくれること。腫瘍または炎症原因で、体の一部がはれあがること。はれ。むくみ。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕
※続俳諧師(1909)〈高浜虚子〉九七「腹部は遂に板のやうに腫脹(シュチャウ)して」 〔医宗金鑑‐幼科心法要訣・疳証問・脾疳〕

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デジタル大辞泉 「腫脹」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐ちょう〔‐チヤウ〕【腫×脹】

[名](スル)炎症などが原因で、からだの組織器官の一部がはれ上がること。また、細胞容積が増大した状態腫大
[類語]腫れる浮腫むく腫らす腫れあがる腫れぼったい腫れ物地腫れみみず腫れ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「腫脹」の意味・わかりやすい解説

腫脹
しゅちょう

炎症の一徴候。古代ギリシア・ローマ医学の昔から、炎症という病変の四つのおもな徴候として、腫脹tumor、発赤(ほっせき)rubor、熱感calor、疼痛(とうつう)dororが知られていることは有名である。このうち、腫脹は俗に、腫(は)れて膨れること、あるいは、腫れを意味して使われたり、病理学的に、腫瘍(しゅよう)による局所の腫れも、ときに腫脹と誤って表現されることもある。

 炎症にみられる腫脹、発赤、熱感などは、炎症の基本的病変である循環障害、滲出(しんしゅつ)、および細胞増殖に起因すると考えられている。とくに腫脹は、炎症局所の血管拡張、充血、血管透過性の亢進(こうしん)などの機序(メカニズム)によって、血管内のタンパクを含む血漿(けっしょう)や好中球、好酸球、リンパ球、単球などの血球が病巣内に出てくる滲出現象が主体で、これに局所組織内の細網細胞、組織球、線維芽細胞、肥胖(ひばん)(肥満)細胞などの細胞増殖が加わって生じたものと理解されている。

渡辺 裕]

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普及版 字通 「腫脹」の読み・字形・画数・意味

【腫脹】しようちよう

腫物

字通「腫」の項目を見る

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