耳目(読み)じもく

精選版 日本国語大辞典 「耳目」の意味・読み・例文・類語

じ‐もく【耳目】

〘名〙
① 耳と目。
万葉(8C後)一七・三九七三・題詞「昨日述短懐、今朝汙耳目
集義和書(1676頃)一「心は耳目手足の能なけれども、よく耳目手足を下知して尊きがごとくに候」 〔春秋左伝‐成公二年〕
② 聞くことと見ること。見聞
※本朝文粋(1060頃)八・因流泛酒詩序〈大江匡衡〉「妙舞清歌之悦耳目、綺肴玉饌之堆杯盤
読本椿説弓張月(1807‐11)残「いまだ耳目(ジモク)を経ざる所は、こころもこれをしるによしなし」
③ (耳、目となって)人を補佐すること。また、その人。
信長記(1622)一下「すなはち家老耳目(ジモク)の臣召あつめられ、将軍御帰洛の儀評議せられけるが」

じ‐ぼく【耳目】

〘名〙
曾我物語(南北朝頃)四「しほくの及ぶ所、こくちんに遑あらず」
翁問答(1650)上「耳目(ジボク)聰明四肢の恭重、行住坐臥法則、皆孝徳愛敬の感通ならざるはなし」
太平記(14C後)三三「さしも爪牙(さうげ)耳目(ジボク)の武臣たりしかば」

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デジタル大辞泉 「耳目」の意味・読み・例文・類語

じ‐もく【耳目】

耳と目。聞くことと見ること。見聞。「耳目を広める」「耳目に触れる」
多くの人々の注意。「世間耳目を集める」
ある人の目や耳となって、仕事を助けること。また、その人。「長官耳目となって働く」
[類語]経験体験見聞洗礼苦汁苦杯見聞き追体験遍歴場数を踏む

じ‐ぼく【耳目】

じもく(耳目)

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普及版 字通 「耳目」の読み・字形・画数・意味

【耳目】じもく

耳と目。外界のことを知るべき方法。〔礼記、仲尼燕居〕(も)し禮無くんば、則ち手錯(お)く無く、耳目加ふる無し。

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