精選版 日本国語大辞典 「美空ひばり」の意味・読み・例文・類語
みそら‐ひばり【美空ひばり】
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第2次世界大戦後の日本の代表的人気歌手。本名加藤和枝。横浜市磯子区滝頭(たきがしら)の魚屋の長女として生まれ,天性の才能と母親の〈芸能界好き〉によって,9歳から近くの劇場に出演,1948年には横浜国際劇場,49年には日劇と,本格的な劇場への出演をはたし,笠置シヅ子(1914-85)の《東京ブギウギ》など当時のヒット曲をおとな顔負けの巧みさでこなして,〈天才少女歌手〉として評判となった。49年9月,《河童ブギウギ》に続く2枚目のレコード《悲しき口笛》をコロムビアレコードから発売,続いて10月にはこれを主題歌とする松竹の同名主演映画も公開されて(これが初の主演映画。なお映画初出演は1949年3月の東横映画・斎藤寅次郎監督《のど自慢狂時代》),たちまち10万枚を売りつくし,やがて50万枚に迫る初の大ヒットとなった。51年には《越後獅子の唄》(斎藤寅次郎監督の松竹正月映画《とんぼ返り道中》の主題歌),52年には《リンゴ追分》(ラジオドラマ《リンゴ園の少女》の主題歌,同じ年に松竹で映画化もされる)の大ヒットを飛ばしてスターの座を確かなものにするが,これらの例にもみるように,〈歌に映画に〉といった2本立て形式での大衆への浸透が,以後,昭和30年代を通じての絶大な人気を築くことになる。ちなみに,昭和32年から36年まで5年間の映画出演本数は63本,年平均12本強にも及んでいる(なお,昭和33年7月に〈ひばりに関しては1社の独占を禁ずる〉という邦画6社の紳士協定が破られて東映が専属契約,それが昭和38年12月まで続いた)。
1962年,日活のアクション・スター小林旭(1938- )と結婚,しかし〈スター同士の結婚〉は長続きせず,64年に離婚する。翌65年,作曲に古賀政男を得た《柔(やわら)》によって初のレコード大賞(第7回)を受賞,続く66年にも古賀政男の《悲しい酒》でヒットを飛ばし,〈演歌の女王〉〈歌謡曲の女王〉としての貫禄も示すようになる。
だが,その後1960年代末から70年代,80年代にかけては,歌謡界(そしてそれを取りまく社会)の状況の変化もあって新しいヒットが生まれず,また,弟かとう哲也のたび重なる逮捕事件,暴力団との関係が取りざたされたことなどもあって,多くの社会的批判を浴びることとなった。しかし,《悲しい酒》に典型的にみられるような日本的な心情--いとわしくもあるがまた心地よくもある〈感傷的な自己陶酔性〉--によって,かつてのヒット曲は男女を問わぬ多くの日本人に今日も親しまれており,いろいろと批判はあるものの,〈歌〉を通しての美空ひばりは,依然,〈異能のヒロイン〉として大衆の中に生き続けている。
執筆者:川添 裕
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歌手、女優。本名加藤和枝(かずえ)。幼時から歌が大好きで、1946年(昭和21)9月、生地の横浜で初めて舞台に立つ。1949年、映画『のど自慢狂時代』に出演して注目され、同年コロムビア入社。レコード吹き込みの第一作は『河童(かっぱ)ブギウギ』。天才少女歌手として出演した映画『悲しき口笛』『東京キッド』『リンゴ園の少女』『あの丘越えて』は主題歌ともども大ヒットした。映画・舞台に活躍、比類ない歌唱力で、戦後の歌謡界に大きな足跡を残した。その他の代表曲に『悲しい酒』『柔(やわら)』など。平成元年6月24日没。国民栄誉賞が追贈された。
[畑 暉男]
『『ひばり自伝――わたしと影』(1971・草思社)』
…一般に初期の歌手は,マイクなしでもよく通るかん高い声をもっている。戦後マイクロフォンの発達によって,よく通る声が歌手の必要条件でなくなり,美空ひばりの裏声による細やかな技巧のように,豊かな感情表現が求められるようになった。さらにはフランク永井の低音,森進一のかすれ声等の歌手が登場し,また音域も低くなり,一般の人々にも歌いやすいものになった。…
※「美空ひばり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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