簗田藤左衛門(読み)やなだ・とうざえもん

朝日日本歴史人物事典 「簗田藤左衛門」の解説

簗田藤左衛門

生年生没年不詳
安土桃山時代の会津商人簗田氏は,康暦1/天授5(1379)年鎌倉より下向した蘆名氏に従い黒川城下(会津若松市)に移り住み,商人司に任命されたという。天正4(1576)年,同5年に蘆名氏およびその家臣らが藤左衛門宛に出した書状をみると,当時藤左衛門は,会津商人が領内外で商いをする際に巻き込まれたトラブルの解決,移入荷に対する課役の取り立てなどを行っている。自ら商取引を行う商人というよりは,商取引にかかわる役人的色彩の強い者だったといえよう。以後簗田氏は,幕末まで会津領内の商業をたばねる役割を果たしていった。簗田氏には,藤左衛門を襲名した者が3名いたと考えられるが,いずれも安土桃山時代の人物である。<参考文献>「会津若松史」,丸井佳寿子「会津藩に於ける商業統制の変容」(『日本歴史』96,98号)

(丸井佳寿子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「簗田藤左衛門」の解説

簗田藤左衛門 やなだ-とうざえもん

?-? 戦国-織豊時代の商人。
陸奥(むつ)黒川城(福島県)城主蘆名(あしな)盛氏(1521-80)の御用商人となり,領国をでいりする商人から課役を徴収する権利をえる。伊達政宗の時代には関所通行手形の発行権をあたえられた。

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