デジタル大辞泉 「節分」の意味・読み・例文・類語
せつ‐ぶん【節分】
2 特に、立春の前日。2月3日ごろ。この夜、鬼打ち豆をまいたり、
[補説]狂言の曲名別項。→節分
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
雑節の一つで,立春の前日。現行暦では2月3日もしくは4日にあたる。大晦日,1月6日,1月14日とともに年越しの日とされ,これらとの混交もみられるが,現在の節分行事はほぼ全国的に,いり豆をまく追儺(ついな)の行事と門口にヤキカガシ(ヤイカガシ)を掲げる風習を行う点で共通している。社寺でも民間でも盛んに行われる豆まきの唱え言は土地によって各種あるが,〈鬼は外,福は内〉というのが一般で,訪れる邪鬼をはらおうとするものと解されている。豆で身体を撫でて捨てる風もあり,これは災厄の祓と考えられよう。ヤキカガシとは,焼いた鰯の頭など臭気の強いものを豆の枝や鋭い葉をもつ柊(ひいらぎ)にさして家々の入口に掲げるもので,鬼の目突き,鬼おどしなどと呼ばれ,これも邪霊防御の手段とされている。また豆占いや,ヤキカガシを焼くときの虫の口封じの唱え言もかつては広く行われていた。以上のように節分には追儺の考えが濃いが,別にこの夜に神霊の訪れを認めて,本来ヤキカガシ掲示はそのための物忌(ものいみ)をしているしるしであり,豆は神への供え物とする解釈もある。
→追儺
執筆者:田中 宣一
狂言の曲名。鬼狂言。大蔵・和泉両流にある。節分の夜,夫が出雲大社へ年取りに出かけたので女がひとりで留守をしているところへ,蓬萊の島から来た鬼が訪れる。美しい人妻に心を奪われた鬼は,小歌をうたいつつ言い寄るが,女はいっこうに受けつけないので,ついに泣き出してしまう。その様子を見た女は,なびくと見せかけて,鬼の持つ隠れ笠,隠れ蓑,打出の小槌などの宝を取り上げ,家の中に入れる。鬼は横になり,くたびれたから腰をたたいてくれなどと亭主気取りもつかのま,女は,やっと豆をはやす時分になったと〈福は内,鬼は外〉と豆をぶつけて鬼を追い出す。登場人物は鬼と女の2人で,鬼がシテ。鬼が恋のとりことなり,人間の女にだまされるという倒錯的ユーモアと,《閑吟集》その他の中・近世歌謡と重複する小歌が演技の中心。民俗信仰を背景に適度のエロティシズムも加味された,こくのある古作の狂言である。
執筆者:羽田 昶
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…方相氏の扮装が異様なため,のちには方相氏が鬼で,群臣が追い出すのだと考えられた。宮廷行事としては中世に廃れたが,近世になり諸国の神社で節分に追儺祭が行われるようになった。【伊藤 唯真】
[中国]
儺(だ),大儺とも呼ぶ。…
※「節分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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