(読み)きん

精選版 日本国語大辞典 「筋」の意味・読み・例文・類語

きん【筋】

〘名〙 繊維状の肉の中のすじ。動物の体で、運動をつかさどるもの。筋肉。〔医語類聚(1872)〕〔周礼‐天官・瘍医〕

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デジタル大辞泉 「筋」の意味・読み・例文・類語

すじ〔すぢ〕【筋/条】

[名]
筋肉。また、その線維。「肩の―が凝る」
筋肉を骨に付着させている組織。けん。「足の―を切る」
皮膚の表面に浮き上がってみえる血管。「―の浮き出た手」「額に―を立てて怒る」
植物などの繊維。「―のかたい野菜」
細長く、ひと続きになっているもの。線。「まっすぐに―を引く」
縞模様。「赤い―のある布地」
家系。家柄。「貴族の―を引く」
学問や芸術の流儀。流派。「彼の絵は狩野派の―だ」
素質。たち。「芸の―がいい」
10 物事の道理。すじみち。「―の通った話」
11 小説や演劇などの、大体の内容。梗概こうがい。「芝居の―」
12 そのことに関係のある方面。「確かな―からの情報」「消息―」
13 依頼したい事柄。おもむき。「お願いの―があって参上いたしました」
14 道路や川に沿った所。「街道―」「利根川―」
15 囲碁・将棋で、本筋とされている打ち方・指し方。
16 将棋で、盤面の縦9列のそれぞれをいう。
17 身分。地位。
「めでたきにても、ただ人の―は、何の珍しさにか思ひ給へかけむ」〈・少女〉
18すじかまぼこ」の略。
[接尾]助数詞
細長いものを数えるのに用いる。「帯をひと―」「ふた―の道」
江戸時代ぜに100文を数えるのに用いる。「銭さし一―」
[下接語]青筋あら家筋いき糸筋大筋大手筋・思惑筋・海道筋街道筋川筋癇癪かんしゃく官辺筋客筋金筋銀筋首筋玄人くろうと毛筋権威筋しゅう消息筋素人しろうと親類筋政府筋背筋疝気せんきせんの筋太刀筋球筋血筋強気筋手筋手の筋鼻筋腹筋ひとふた本筋升掛け筋町筋万筋みお水筋道筋・目先筋・矢筋横筋弱気筋
[類語](5ライン線条直線曲線実線破線点線波線斜線アンダーライン傍線折れ線垂線鉛直線接線水平線平行線対角線双曲線放物線母線螺線らせん割線中線中心線/(10プロット仕組みことわり道理事理条理論理理屈筋道道筋辻褄理路ロジック合理合理的論理的理路整然ロジカル理詰め中正方正適正真正純正フェア正しい正当至当正道本筋正則公正まっとうまとも合法合法的ノーマル

きん【筋】[漢字項目]

[音]キン(漢) [訓]すじ
学習漢字]6年
〈キン〉
細長い筋線維の束でできた肉。「筋骨筋肉筋力心筋腹筋
細長い線状のもの。「鉄筋
〈すじ〉「筋道青筋粗筋あらすじ大筋川筋首筋毛筋背筋血筋手筋鼻筋腹筋本筋道筋
[難読]筋斗返とんぼがえ翻筋斗もんどり

きん【筋】

筋肉。「が収縮する」「平目ひらめ

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改訂新版 世界大百科事典 「筋」の意味・わかりやすい解説

筋 (すじ)

江戸時代に地勢によって区分された行政区画をいう。幕府勘定所では天領を関東筋,(東)海道筋,北国筋,(五)畿内筋,中国筋,西国(さいごく)筋と区分した。また藩によっては各郡に筋名が見られることや2郡にまたがる場合もある。村名に郡と筋名を冠して地名を示すこともあるが,これは異なった系列を示す場合が多い。美濃国には各郡に筋名が見られ,近江の彦根藩では南・中・北の3筋があり,各筋ごとに筋奉行が交通・駅伝衣食住・年貢収納などを管轄し,その下で代官が分担執務した。
執筆者: また豊前の小倉藩では,藩内を企救(きく)・田川・京都(みやこ)・仲津・築城ついき)・上毛(こうげ)の6郡に分け,各郡に郡奉行(こおりぶぎよう)が配置されていたが,郡奉行は筋奉行とも呼ばれていた。このように小倉藩では郡と筋がいっしょのものとされるが,筋の呼称は藩主小笠原氏の信州統治時代に由来するといわれる。甲斐国では一国を万力(まんりき)・栗原・大石和(おおいさわ)・小石和・中郡・北山・逸見(へみ)・武川(むかわ)・西郡の9筋と,郡内領・河内(かわうち)領の2領に分けていた。筋という単位戦国時代に見られ,2領が国人領であったことに由来するので,甲斐の筋は武田氏統治時代から行政単位とされたようである。
執筆者:

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知恵蔵 「筋」の解説

ストーリー」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「筋」の意味・わかりやすい解説


きん

筋肉

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栄養・生化学辞典 「筋」の解説

 食肉の筋.結合組織で,筋膜,腱膜,腱などで構成されている.

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【筋肉】より

…単に〈筋〉ともいい,動物の運動をつかさどる細胞集団をいう。原生動物,中生動物および海綿動物を除くすべての動物に存在する。…

【彦根藩】より

…席順は家老等から笹間詰,武役席,平士,小姓,中小姓,騎馬徒士が士分であり,士以下では歩行(かち),足軽,中間(ちゆうげん),施職人等の武家奉公人が多くいた。藩内の民政では,領内を南筋(愛知郡以南),中筋(犬上郡と坂田郡天野川以南),北筋(天野川以北伊香郡)の3筋に分け,各筋奉行を任命,筋奉行の下には12人の代官を置き,各村の庄屋・横目を支配した。また琵琶湖松原港,長浜,米原港の彦根三湊を整備し,城付の用船120艘を配し,軍船や年貢輸送船として用いた。…

※「筋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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