立場(読み)たちば

精選版 日本国語大辞典 「立場」の意味・読み・例文・類語

たち‐ば【立場】

〘名〙
① 立っている場所。また、立つための場所。
日葡辞書(1603‐04)「Tachibauo(タチバヲ) サラズ ウチジニ シタ」
② その人の置かれている地位状況。また、その人の面目などもいう。立端。
※葉隠(1716頃)五「皆々立場を忘れ、泣沈み罷在候を」
③ 物の見方のよりどころ。見地観点考え方
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「立場を換へて見れば此位単純な事実は彼等の社会に日夜間断なく起りつつある」
※本福寺跡書(1560頃)生身御影様大津浜御著岸之事「上乗をうりかいにして、たちばたちばをさうこくして、命を果こと度々なり」
縁日祭礼などの雑踏している場所、また、そのような場所に横行するすりをいう、てきや・盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧(1915)〕 〔モダン新用語辞典(1931)〕

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デジタル大辞泉 「立場」の意味・読み・例文・類語

たち‐ば【立場】

人の立つ場所。立っている所。
その人の置かれている地位や境遇。また、面目。「苦しい立場に追い込まれる」「負けたら立場がない」
その状況から生じる考え方。観点。立脚点。「医者立場からの発言」「賛成立場をとる」「第三者立場
[類語](2立つ瀬地歩身分立ち位置立脚点立脚地地位位置ポストポジション椅子肩書き役職役付き階級

たて‐ば【立(て)場/建場】

江戸時代宿場と宿場の間の街道などで、人足駕籠かごかきなどの休息した所。明治以後は人力車馬車などの発着所をいう。
人の多く集まる所。たまり場。
位置。たちば。
業者がその日に集めた廃品を買い取る問屋。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「立場」の意味・わかりやすい解説

立場
たてば

江戸時代,街道の宿駅の出入口に設けられた休息所で,掛け茶屋のこと。旅人,人足などが休憩したが,宿泊は禁じられていた。明治以後は馬車や人力車の発着所,休憩所をいった。

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