留守・留主(読み)るす

精選版 日本国語大辞典 「留守・留主」の意味・読み・例文・類語

る‐す【留守・留主】

〘名〙
① 天皇・皇帝・王などの行幸の時、その代理として都城にとどまり、執政すること。また、その人。令制では皇太子もしくは公卿がこれにあたる。
令義解(718)儀制「凡車駕巡幸及還。百官五位以上辞迎。留守者。不辞迎之限
② (━する) 主人、また、家人が外出した時、その家を守ること。また、その人。そういう役まわりになることから、妻、主婦にもいう。留守番
落窪(10C後)一「格子のはざまにいれ奉りて、るすの宿直人や見つくると、おのれもしばし簀子に居」
③ (━する) 外出して不在になること。内にいないこと。在宅してないこと。
吾妻鏡‐承元二年(1208)七月一九日「尼御台所、并将軍、同御台等、有御参堂。御留守之間、鎌倉中騒動」
④ 「るすしき(留守職)」のこと。
※吾妻鏡‐建久元年(1190)二月六日「次新留守所、本留守、共有兼任同意之罪科。〈略〉本留守者。年齢已七旬」
⑤ (多く「おるす」の形で) 注意が一方に集中して、他方に及んでいないことを、皮肉を込めていう。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「口をきけば手もとがお留守になります」
⑥ 愚かであること。ばかなこと。また、その人。
浮世草子・棠大門屋敷(1705)序「去るによって人の愚なるをお留主といふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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