物になる(読み)ものになる

精選版 日本国語大辞典 「物になる」の意味・読み・例文・類語

もの【物】 に なる

① 一かどの人になる。立派な人になる。
※成尋母集(1073頃)「人のこれを憐れび思はずば、ものになるべき人のさまやはしたる」
② 思い通りになる。意図したように事が運び、成就する。
※玉塵抄(1563)五「戈のさきで、臼の中のものを、米やあわをつくことぞ。ものになるまいことぞ」
社会百面相(1902)〈内田魯庵鉄道国有「今年の議会で鉄道国有が物になると云ったのを聞いたもんだから」
③ 目がけていた女性が手にはいる。
青鬼の褌を洗ふ女(1947)〈坂口安吾〉「ノブちゃんを懇(ねんごろ)に口説かうといふわけです。今日あたりは物になるだらうな」
④ 習い覚えたものが役に立つようになる。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉大阪修業「如何しても修業は出来て何か物になるだらうと思ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「物になる」の意味・読み・例文・類語

ものにな・る

物事完成する。また、物事が成就する。「あの研究は―・りそうですか」
ひとかどの人物になる。「将来―・りそうな若者
[類語]成就達成大成速成適う実現完成成立成り立つ成る出来しゅったい出来る出来上がる樹立確立存立打ち立てる成功奏功上首尾結実開花実を結ぶ花開く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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