灰色(読み)はいいろ

精選版 日本国語大辞典 「灰色」の意味・読み・例文・類語

はい‐いろ はひ‥【灰色】

〘名〙
① 灰のように薄黒い色。ねずみ色。
※おとづれ(1897)〈国木田独歩〉上「地平線上は灰色の雲重りて」
② (黒と白の中間の色であるところから)
(イ) 主義主張・所属・様子などがはっきりしないこと。
ノリソダ騒動記(1952‐53)〈杉浦明平〉一「田舎というものは定義を灰色にする」
(ロ) 法律に触れる行為をしているのかいないのか、はっきりしないこと。
吉里吉里人(1981)〈井上ひさし〉一七「灰色政治家が現役で居坐っているのをみても」
③ (色相陰鬱なところから) 陰気でさびしいこと。また、無味乾燥なこと。
灰燼(1911‐12)〈森鴎外〉七「灰色でない日には幾分の快楽があったと云っても好い」

かい‐しょく クヮイ‥【灰色】

〘名〙 はいいろ
※心頭語(1900‐01)〈森鴎外〉「青を帯びたる白若くは灰色(クヮイショク)全景の暗処となり畢んぬ」 〔晉書‐郭璞伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「灰色」の意味・読み・例文・類語

はい‐いろ〔はひ‐〕【灰色】

灰のような、白と黒との中間の色。ねずみ色。グレー。
希望がなく暗い気持ちで活気のないこと。「灰色の日々を送る」
《白とも黒ともはっきりしないところから》疑惑のあること。「容疑灰色のまま釈放される」
[類語](1鼠色グレー/(2)(3不明不明瞭ぼんやりぼうっとぼうぼやっとぼけっとぽっとぼさぼさきょとんぽかんぽかりもやもやおぼろおぼろげ不鮮明朦朧もうろう模糊もこ茫漠ぼうばく茫茫ぼうぼうばく漠然ばくぜん不詳未詳未知未確認迷宮入り

かい‐しょく〔クワイ‐〕【灰色】

はいいろ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

色名がわかる辞典 「灰色」の解説

はいいろ【灰色】

色名の一つ。JISの色彩規格では、そのまま「灰色」としている。一般に、木などを燃やした後に残るのようなの中間の色をさす。色名として使われるようになったのは近代とされる。英名グレイgrey)。無彩色総称として用いることが多い。個別の色として示す時は鼠色よりも少し濃い。犯罪で黒白がはっきりしないときに「灰色」という使い方をするなど、あまりよいイメージではない。

出典 講談社色名がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android