瀬見温泉(読み)せみおんせん

日本歴史地名大系 「瀬見温泉」の解説

瀬見温泉
せみおんせん

[現在地名]最上町大堀 瀬見

亀割かめわり山南方最上小国もがみおぐに峡谷左岸に位置する。文治三年(一一八七)奥州平泉に下向した源義経一行当地に差掛り、義経の妾北の方が亀割山で亀若丸を出産したときに産湯を探しに出掛けた弁慶が、湯煙が立上るのをみつけ、手にした薙刀「瀬見王丸」を突いて掘当てたのが発見との伝承が残る。「義経記」巻七(亀割山にて御産の事)によれば亀若丸が生れ、一行は「その日はせひの内といふ所にて、一両日御身労はり」とみえ、「せひの内」は「せひのゆ」の誤記とし、当地に比定する説もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀬見温泉」の意味・わかりやすい解説

瀬見温泉
せみおんせん

山形県北東部、最上(もがみ)郡最上町にある温泉。源義経(よしつね)一行が発見したといわれ、小国(おぐに)川の左岸に旅館が建ち並ぶ静かな温泉場。最上地方奥座敷として利用され、小国川渓谷新緑紅葉、アユ釣りの名所として知られる。泉質塩化物泉。JR陸羽(りくう)東線瀬見温泉駅下車。国道47号が通じる。

中川 重]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瀬見温泉」の意味・わかりやすい解説

瀬見温泉
せみおんせん

山形県北東部,最上町にある温泉。泉温は 70℃で,湯量の豊富な食塩泉。亀割山 (594m) を背に JR陸羽東線,国道 47号線に沿う小国川の峡谷にあり,秋の紅葉時は特に美しい。湯治場として発展したので自炊客相手の朝市もあり,地方色豊かな情景がみられる。小国川でのアユ釣り,冬のスキーなど新庄方面からの観光客も多い。

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デジタル大辞泉プラス 「瀬見温泉」の解説

瀬見温泉

山形県最上郡最上町、小国川の渓谷にある温泉。源義経一行が発見したとの言い伝えがあり、付近には義経ゆかりの旧跡が数多く残る。

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