デジタル大辞泉
「潮」の意味・読み・例文・類語
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ちょう‐・する テウ‥【潮】
〘他サ変〙 てう・す 〘他サ変〙 おもてに表わす。表面に見せる。さす。
多く「紅を潮す」の形で顔が赤らむ意に用いる。
※
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「羞色顔に顕はれて海棠忽ち紅を潮
(テウ)し」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
潮 (しお)
海水やその性質,海水の流れ,潮汐などを表す語。例えば黒潮,親潮,あるいは潮が甘いなどの〈潮〉は第1の意味合いを,潮波の〈潮〉は第2の意味合いを,潮がさすや潮時の〈潮〉は第3の意味合いをもっている。
執筆者:寺本 俊彦
民俗
潮の干満や速度,流れなど,海に生きる人々にとって,むかしから強い関心がもたれてきた。とりわけ操船上,潮の動きは重要であり,舟人や漁民の間では潮にかかわる語彙は豊富である。デシオ,イリシオをはじめ,干満などによる潮の流れのない状態をトロミ,潮が出合って波立つところをシオザイと呼び,干潮のヒオチまたはソコチ,満潮のタタエなどとともに,広い範囲で用いられる語彙が多い。また漁法でも干満の潮の流れを利用して行われるものも多く,建干(たてぼし)網や石干見(いしひみ)漁法などがある。このうち石干見漁法は,魚を強制的に誘導する装置を伴わない,まったく潮の干満のみを利用した原始的漁法で,汀線に馬蹄形あるいは方形の自然石を積み,満潮時に潮にのってこの中に入ってきた魚族を干潮時に潮が石のすき間から出たのちすくいとる漁法で,太古より世界的に広い分布をもち,日本でも沖縄や九州などで最近まで行われていた。また潮には,人は満潮時に生まれ干潮時に死ぬというなど,人の生死にかかわる俗信が多く伴っている。
執筆者:高桑 守史
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世界大百科事典(旧版)内の潮の言及
【潮汁】より
…単に潮ともいう。鮮度のよい魚貝類を塩味だけで調味した汁で,室町時代以後潮煮と呼ばれていた料理。…
【海】より
…[海底堆積物]
[海水の運動]
海水の運動は種々雑多であるが大別してほぼ定常的なものと,だいたい一定の周期をもって繰り返すものがある。前者に属するものは[海流]で,後者に属するものには[潮汐]による潮浪,潮流,湾の振動(セイシュ)および[津波],[風浪],[うねり],内部波などがあり,日常生活に短期間周期の影響を与える。 海流によって気温,水温,塩分などの分布が支配され,またそれに従って気候,風土,生物などの分布が定まり,文明までがその影響を受けたと考えられる。…
※「潮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」