漢国神社(読み)かんごうじんじや

日本歴史地名大系 「漢国神社」の解説

漢国神社
かんごうじんじや

[現在地名]奈良市漢国町

旧県社。祭神大物主おおものぬし命・大己貴おおなむち命・少彦名すくなひこな命。韓国(和州旧跡幽考)・勘興(大乗院寺社雑事記)・漢郷(八重桜)とも記された。「大和志」は「韓神祠」、「和州旧跡幽考」は「韓国の社は園韓神」とする。「大三輪神三社鎮座次第」には、推古天皇の世に大三輪君白堤が春日かすが邑の率川いさがわ坂岡さかおかに社を建て、媛踏鞴五十鈴媛ひめたたらいすずひめ命と大物主命を祀り、平城宮御宇天皇の世に両社に相殿を造り、ともに三座としたことがみえる。「大神分身類社鈔並附尾」は当社を「率川狭加岡神社」とし、坂岡に祀った大物主命の社は「延喜式」神名帳の添上そえかみ郡「狭岡神社」で、率川神社の創祀とともに園神の名で当社に祀られ、後に相殿を造立して三座となったといい、神名帳に「狭岡神社八座」とあるのは祭神数を誤記したものと解している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「漢国神社」の解説

漢国神社

奈良県奈良市にある神社。“漢国”は「かんごう」と読む。旧県社。祭神は大物主命(おおものぬしのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなびこなのみこと)。神社内にある林神社の祭神(林浄因命(りんじょういんのみこと))は菓祖神(かそじん)と呼ばれ、まんじゅうの神として知られる。

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